お七夜は「生まれた日を1日目」として7日目
お七夜の日を決めるときにまず迷うのが、生後日数の数え方です。結論は生まれた日を1日目として数えるです。産泰神社も「生まれた日を1日目として数えます」と明記しています。したがって生後7日目は生まれた日の6日後です。10月1日生まれなら10月7日で、10月8日ではありません。
ところが母子手帳などに書かれている「生後日数(日齢)」は、生まれた日を0日目として数えます。生まれた翌日が「生後1日」になる数え方です。同じ赤ちゃんでも、習わしの「7日目」と日齢の「生後7日」は1日ずれます。産泰神社もこの違いに触れて、お七夜やお食い初めは母子手帳の日齢とは異なる数え方だと説明しています。迷ったら、上のツールのように日付そのもので確認するのが確実です。
上のます目が習わしの数え方(生まれた日=1日目)、下のグレーの数字が母子手帳の日齢(生まれた日=0日)です。お七夜は上の「7」の日、つまり生まれた日の6日後です。
7日目に間に合わなくても構いません。産泰神社は「お七夜の日程は7日目が過ぎても問題ありません」として、生後2週目・3週目に行う方もいると案内しています。ただし出生届は生まれた日を1日目として14日目まで(戸籍法49条・43条)なので、お祝いの会はずらせても名前を決める期限はずらせません。上のツールにはその最終日も出ます。
平安時代の「産立ちの祝い」が由来
お七夜の由来は、平安時代の貴族が行っていた「産立ち(うぶだち)の祝い」です。産泰神社の解説によると、赤ちゃんが生まれた1日目を「初夜」、3日目を「三夜」、5日目を「五夜」、7日目を「七夜」、9日目を「九夜」とよび、奇数日に赤ちゃんが生まれたことを祝う行事を重ねていました。医療が発達していない時代には、赤ちゃんが無事に毎日を過ごせること自体が何よりのお祝いだったためです。
時代が下るにつれて「七夜」だけが残り、江戸時代ごろに庶民へ広まったといわれています。農林水産省も人生儀礼の解説のなかで「誕生から7日目の夜を『お七夜』といい、赤ちゃんの名前を命名紙に書いて神棚などに飾り披露します」と紹介しています。いま残っているのは7日目だけですが、もともとは下の図のように何度も繰り返される祝いの一部でした。
もとは奇数日ごとの祝いでした。初夜・三夜・五夜・七夜・九夜のうち七夜だけが残ったのが、今のお七夜です。上のツールには、この5つの夜の日付もまとめて出ます。
命名書の書き方 — 正式(奉書紙)と略式
命名書には奉書紙でつくる「正式」と、色紙や印刷物を使う「略式」があり、産泰神社は「どちらを使用しても問題ありません」としています。どちらでも書く内容は共通で、中央に「命名」と赤ちゃんの名前、右に父母の名前と続柄、左に生年月日です。上のツールに名前を入れると、この配置の縦書き見本が表示されます。
正式な命名書の作り方は、産泰神社の解説では次の手順です。①奉書紙を横に二つ折りし、さらに縦に三つ折りする ②中央に赤ちゃんの名前を書く ③右上に親(名づけ親)の名前と続柄、左下に赤ちゃんの生年月日を書く ④左の面には名づけ日と両親の名前、右の面には「命名」と書く ⑤向かって右側が上に来るように折りたたむ。これをもう1枚の奉書紙(上袋)で包み、最後に正面に「命名」と書いて仕上げます。包むときは左・右の順に折り、続いて上・下を折りたたみます。
書く内容はどちらも同じで、置き場所が1枚か3面かの違いです。正式はこれをもう1枚の奉書紙で包み、包みの正面に「命名」と書きます。略式に細かい決まりはなく、名前のふりがなを添える形式も広く使われています。
書くのは誰でも構いません。産泰神社は「昔は赤ちゃんの名付け親や、一族の字の上手な人が書いていましたが、誰が書くという決まりはありません」とし、字に自信がなければ代筆サービスを使うのもありとしています。縦書きで数字(番地や日付)を書く場面の作法は、中袋の書き方のページで詳しく整理しています。命名書の日付を和暦の漢数字で書く場合は、上のツールの見本がそのまま写せます。
続柄は「二女」と書く。第2子でも「長女」になる
命名書に書く続柄は、戸籍の届出と同じ数え方に合わせておくと食い違いません。ここに、ふだんの言い方とずれる点が2つあります。
ひとつは表記です。戸籍の届出では「次女」ではなく「二女」、「次男」ではなく「二男」と書きます。もうひとつが数え方で、男女それぞれで別に数えます。中央区の「出生届の書き方」は、こう説明しています。「続き柄は、父母にとって一番目の男の子なら『長男』となります。さらに、二番目の子を出生した場合、その子が女の子であれば、女の子としては一番目なので『二女』ではなく『長女』となります」。つまり第2子であっても、女の子として最初なら「長女」です。
| 何番目の子 | 男女 | 続柄 |
| 第1子 | 男の子 | 長男 |
| 第2子 | 女の子 | 長女(二女ではない) |
| 第3子 | 男の子 | 二男(次男と書かない) |
| 第4子 | 女の子 | 二女 |
さらに、数えるのはその父母の間で何番目かです。中央区は「当該父母にとっての何番目であるかという続き柄なので、父にとって二番目の男の子であっても、当該母との間に初めて生まれた男の子であれば『長男』となります」としています。再婚などで父に別の子がいる場合も、その母との間で最初の男の子なら「長男」です。
名前に使える文字と、2025年からの戸籍のフリガナ
命名書は記念のものですが、戸籍に載るのは出生届で届け出た氏名です。命名書そのものに法的な効力はないので、まず出生届に書ける名前かどうかを確かめておくと安心です。法務省は「常用漢字表と人名用漢字表に掲げられた漢字は,いずれも子の名に使用することができます」としています。中央区の案内はより具体的で、名に使えるのは「常用漢字、人名用漢字、カタカナ・ひらがな(変体仮名を除く)…符号(長音の『ー』、繰り返しの『ゝ』『ゞ』『々』)」です。「ゐ」「ゑ」「を」「ヰ」「ヱ」「ヲ」はひらがな・カタカナに含まれる、とも明記されています。
そして2025年(令和7年)5月26日から、戸籍法の改正で戸籍に氏名のフリガナが記載されるようになりました。法務省の案内(「戸籍にフリガナが記載されます」)のとおり、改正法は令和7年5月26日に施行されています。これから生まれる赤ちゃんについては、出生届に記入した子の名のフリガナがそのまま戸籍に記載されます(横浜市の案内)。しかもそのフリガナは「一般の読み方として認められているもの」でなければならないとされています。
名前は「漢字」と「読み方」の両方を決める時代になりました。以前は戸籍に読み方が載らなかったため、読み方は事実上自由でした。2025年5月26日以降の出生届では読み方も戸籍に載るので、漢字から大きく離れた読み方は認められない場合があります。届出前に市区町村の戸籍係に確認するのが確実です。命名書に名前のふりがなを添える形式が多いのも、読み方が名前の一部として扱われるようになった流れに合っています。
日程・場所・費用に決まりはない
お七夜は、昔は父方の祖父が中心となって盛大に執り行う行事でした。産泰神社の解説では、お母さんが父方の家に嫁ぐことが一般的だった時代、赤ちゃんは父方の祖父にとって内孫(一家の跡取り)であり、親戚や近所の人へのお披露目という意味もあったためだとされています。
いまはそうした決まりはありません。誰を招くか、どこで行うか、費用を誰が持つか、いずれも自由です。里帰り中ならお母さんの実家で行っても構いません。父母と赤ちゃんだけで行う例も多く、その場合は祖父母に事前に伝え、当日の写真を送ると喜ばれます。産泰神社がアンケートを引いて紹介しているところでは、お七夜を行うと答えた人は全体の19%ほどで、出産直後は体調が万全でないため行わない方が多数とのことです。やらない選択も、形を変えて行う選択も、どちらもふつうのことです。
食事会は、伝統的にはお祝い膳です。産泰神社は、尾頭付きの鯛や出世魚であるブリ・ボラをメインに、赤飯・ハマグリのお吸い物・昆布巻きなどを揃えると紹介しています。ケータリングでもパーティー料理でも、ふだんの料理でも構いません。お母さんの体調が戻っていない時期なので、準備で無理をしないことが第一です。
お七夜のあとの行事も日付で確認できます。お宮参り(生後31〜33日目)、百日祝い・お食い初め(生後100日目)と、同じ数え方の行事が続きます。
お七夜・命名書のよくある質問
お七夜はいつ?生後7日目はどう数える?
生まれた日を1日目として数えた7日目の夜です。つまり生まれた日の6日後にあたります。10月1日生まれなら10月7日で、10月8日ではありません。安産祈願で知られる産泰神社も「生まれた日を1日目として数えます」と明記しています。一方、母子手帳などに書かれている「生後日数(日齢)」は生まれた日を0日目として数えるため、同じ日でも1日ずれます。日付そのもので確認するのが確実です。
お七夜は7日目にできないとだめ?遅れてもいい?
遅れても構いません。産泰神社は「お七夜の日程は7日目が過ぎても問題ありません」とし、生後2週目・3週目に行う方もいると説明しています。生後7日は赤ちゃんもお母さんも体調が落ち着かない時期で、里帰り中や入院中のこともあります。ただし出生届は生まれた日を1日目として14日目までに出すものなので、名前そのものはそれまでに決めておく必要があります。お祝いの会だけを後ろにずらす、という進め方が現実的です。
命名書には何を書く?
中央に「命名」と赤ちゃんの名前、右に父母の名前と続柄、左に生年月日を縦書きで書きます。正式な命名書では、中央の面の右上に親の名前と続柄、左下に赤ちゃんの生年月日を書き、左の面に名づけ日と両親の名前、右の面に「命名」と書く、という配置になります(産泰神社の解説)。略式には細かい決まりはなく、生年月日・名前・両親の名前を書くのが一般的です。名前のふりがなを添える形式も広く使われています。
命名書は誰が書く?毛筆でないとだめ?
誰が書いても構いません。産泰神社は「昔は赤ちゃんの名付け親や、一族の字の上手な人が書いていましたが、誰が書くという決まりはありません」と説明し、字に自信がない場合は代筆サービスを使うのもありとしています。筆記具にも決まりはありません。正式には奉書紙に毛筆ですが、略式なら色紙やテンプレートを印刷したものでもよく、木彫りのものなども市販されています。大切なのは上手に書くことではなく、思い入れをもって書くことだと案内されています。
命名書はどこに飾る?いつまで飾る?
神棚や床の間に飾るのが正式で、ない場合はリビングなどに飾ります。産泰神社は「神棚や床の間に飾るのが正式ですが、ない場合は粗末にならないよう、リビングなどに飾りましょう」と案内しています。正式な命名書は三方(さんぽう)にのせて供えます。いつまで飾るかという決まりはありません。お宮参りのころを目安に片づけて、手形や足形と一緒に記念として保管する方もいます。ベビーベッドの枕元に飾る例もあります。
続柄は「次女」?「二女」?長女になる場合もある?
戸籍の届出では「二女」と書きます。そして数えるのは男女それぞれの順番です。中央区の「出生届の書き方」は「続き柄は、父母にとって一番目の男の子なら『長男』となります。さらに、二番目の子を出生した場合、その子が女の子であれば、女の子としては一番目なので『二女』ではなく『長女』となります」と説明しています。つまり第2子でも、女の子として最初なら「長女」です。また「当該父母にとっての何番目であるかという続き柄」なので、父にとって2人目の男の子でも、その母との間で最初の男の子なら「長男」になります。命名書の続柄も、この戸籍の数え方に合わせて書くと食い違いません。
名前に使える漢字は?2025年からのフリガナはどうなった?
常用漢字と人名用漢字、ひらがな・カタカナ、長音や繰り返しの符号が使えます。法務省は「常用漢字表と人名用漢字表に掲げられた漢字は,いずれも子の名に使用することができます」としています。中央区の案内はより具体的で、名に使えるのは「常用漢字、人名用漢字、カタカナ・ひらがな(変体仮名を除く)…符号(長音の『ー』、繰り返しの『ゝ』『ゞ』『々』)」です。さらに令和7年(2025年)5月26日の戸籍法改正で戸籍に氏名のフリガナが記載されるようになり、出生届に記入した子の名のフリガナがそのまま戸籍に載ります。フリガナは「一般の読み方として認められているもの」でなければならないとされているため、漢字だけでなく読み方も考えて決める必要があります。
お七夜に招かれたらお祝いはいくら包む?
5千〜1万円が目安です。産泰神社は「お七夜ではお祝い膳を用意されることが多いため、おおよそ5,000円~10,000円を準備するようにしましょう」とし、両家の祖父母が招かれている場合は差が出ないよう先に相談しておくことを勧めています。表書きは「御出産御祝」「御祝」などとし、水引は紅白・蝶結びを用います。何度あってもよいお祝いなので結び切りではありません。中袋に金額を書くときは漢数字の大字を使います。