引き出物とは — 「3品」が基本形
引き出物は、披露宴に出席してくださったゲストへ、新郎新婦(両家)から贈るお礼の品です。ご祝儀に対する返礼という性格があり、料理・飲み物とあわせて「おもてなし」の一部として考えます。
現在の主流は3品で、ゼクシィ結婚トレンド調査2024(全国推計値)では3品が53.9%と最多、平均は2.6品です。内訳は、メインの品となる引出物(カタログギフトや食器など)、引菓子(バウムクーヘンや焼き菓子など)、縁起物(鰹節・赤飯・紅白饅頭など)という組み合わせが定番です。これらを1つの紙袋にまとめ、披露宴の席に置いたり、お帰りの際に手渡したりします。
贈る相手別の金額の目安
引き出物は間柄によって内容を変える「贈り分け」が主流で、ゼクシィ結婚トレンド調査では約8割の人が実施しています。分ける基準は「親族・上司・友人といった間柄別」が60.4%で最も多く、パターン数は3パターンが約4割です。
下の表は、同調査でゲスト1人あたりに贈ったギフト(引出物・引菓子・縁起物などの合計)の平均額と、三越伊勢丹がメインの品(カタログギフト)の相場として示している金額を並べたものです。合計額のほうが高く見えるのは、引菓子や縁起物の分が含まれているためです。
| 贈る相手 | 合計の平均 | メインの品 |
|---|---|---|
| 友人・同僚 | 5,094円 | 3,000〜4,000円 |
| 上司・恩師 | 8,112円 | 4,000〜5,000円 |
| 目上の親族 (おじ・おば) | 8,516円 | 4,000〜10,000円 |
| 兄弟姉妹 | 8,113円 | |
| 祖父・祖母 | 8,803円 | |
| 父・母 | 8,828円 9,324円 |
※合計の平均はゼクシィ結婚トレンド調査2021(全国推計値)、メインの品の相場は三越伊勢丹の案内によります。友人・同僚がいちばん人数の多い層になるため、まずここを基準に決め、目上の方や親族を一段上げていくと全体の予算が組みやすくなります。
なお上司や親族では、「合計の平均から引菓子・縁起物を差し引いた額」が、百貨店の示すカタログギフトの相場より高く出ます。これは目上の方ほど品数を増やしたり、メインの品を格上げしたりする贈り分けが平均を押し上げているためで、どちらかが誤りというわけではありません。上の早見ツールは調査の平均額を基準にしているので、実際に品物を選ぶときはこの2つの幅の中で会場や予算に合わせて決めてください。
地域で大きく変わる — 品数と金額
引き出物は、冠婚葬祭のなかでもとくに地域差が大きい習わしです。ゼクシィ結婚トレンド調査2024の地域別データを見ると、ゲスト1人あたりのギフト総額は北海道の2,600円から四国の7,700円まで約3倍の開きがあり、平均品数も1.5品から3.4品まで幅があります。
| 地域 | 1人あたり | 平均品数 |
|---|---|---|
| 全国平均 | 6,000円 | 2.6品 |
| 北海道 | 2,600円 | 1.5品 |
| 青森・秋田・岩手 | 5,200円 | 2.2品 |
| 宮城・山形 | 5,700円 | 2.6品 |
| 福島 | 6,600円 | 2.8品 |
| 茨城・栃木・群馬 | 6,100円 | 2.9品 |
| 首都圏 | 6,200円 | 2.7品 |
| 新潟 | 7,600円 | 3.2品 |
| 長野・山梨 | 6,800円 | 2.9品 |
| 富山・石川・福井 | 7,000円 | 3.4品 |
| 静岡 | 5,800円 | 2.7品 |
| 東海 | 6,300円 | 2.7品 |
| 関西 | 6,200円 | 2.6品 |
| 中国 | 6,100円 | 2.7品 |
| 四国 | 7,700円 | 3.0品 |
| 九州 | 4,900円 | 2.4品 |
ここで注意したいのが、「名古屋の結婚式は派手」といった通説と実データは必ずしも一致しない点です。東海(愛知・岐阜・三重)の1人あたりギフト費用は6,300円で、全国平均6,000円をやや上回る程度にとどまります。むしろ金額が高いのは四国(7,700円)や新潟(7,600円)、品数が多いのは富山・石川・福井(平均3.4品)です。
北海道は会費制の披露宴が多く、引出物を用意した人は42.3%(全国は93.0%)、ギフトは1品だけという人が62.0%を占めます。贈らない・小さくまとめるという選択がその地域では標準なので、他地域の相場をそのまま持ち込む必要はありません。迷ったときは、会場の担当者と両家の親に地元の慣習を確認するのがいちばん確実です。
のし紙のかけ方(表書き・水引・名入れ)
引き出物には、のし紙(掛け紙)をかけて贈ります。結婚は一度きりが望ましいお祝いなので、水引はほどけない紅白10本の「ま結び(結び切り)」、または「あわび結び」を使います。高島屋の贈答マナーでも、結婚祝いの掛紙は「紅白または金銀10本結び切り」と案内されています。
引菓子ののし紙は、引出物と同じ「寿」とするほか、「内祝」として新郎新婦の名前を並べる形も使われます。会場や百貨店で手配する場合は、のしの種類と名入れをどうするかを申し込み時に確認しておくと安心です。名前の並べ方に迷うときは、連名の書き方をまとめたページもあわせてご覧ください。
よくある質問
結婚式の引き出物の相場はいくら?
ゼクシィ結婚トレンド調査2024(全国推計値)では、ゲスト1人あたりのギフト(引出物・引菓子・縁起物などの合計)の平均は6,000円です。相手別では友人・同僚が5,000円前後、上司や目上の親族は8,000〜9,000円前後と、間柄によって差をつけるのが一般的です。ただし地域差が大きく、北海道は平均2,600円、四国は7,700円と3倍近い開きがあります。
引き出物は何品が普通?
全国では3品が最も多く53.9%、平均は2.6品です。内訳は引出物(メインの品)・引菓子・縁起物という組み合わせが基本形です。ただし地域差が大きく、富山・石川・福井は平均3.4品で5品目を用意した人が24.7%、九州は2品が41.9%、北海道は1品が62.0%と、地域の慣習によって大きく変わります。
引き出物は贈り分けしたほうがいい?
ゼクシィ結婚トレンド調査では約8割の人が贈り分けを実施しており、パターン数は3パターンが約4割でいちばん多くなっています。分ける基準は「親族・上司・友人といった間柄別」が60.4%で最多です。一方で、同じ立場のゲスト同士で金額に差がつくと当日に気づかれることがあるため、間柄のまとまりごとにそろえるのが無難です。
ご祝儀の何割を引き出物にすればいい?
友人・同僚のご祝儀は3万円が基本ラインで、引き出物の合計は5,000〜6,000円が目安ですから、おおよそご祝儀の2割弱にあたります。ただし実際の贈り分けは「ご祝儀の金額に比例させる」のではなく、間柄で3パターン程度に分けるのが主流です。ご祝儀の額を正確に予測することはできないため、間柄を基準にしたほうが結果として失礼になりにくくなります。
引き出物ののし紙の表書きと名前は?
水引は紅白10本の「ま結び(結び切り)」または「あわび結び」を使い、表書きは「寿」「壽」(地域により「松の葉」)とします。引き出物は両家から贈るものなので、水引の下には両家の姓を並べて書くのが基本で、向かって右が新郎側です。地域によっては新郎新婦の名前を書くこともあります。引菓子ののしは「寿」のほか「内祝」とし、新郎新婦の名前を並べる形も使われます。
引菓子はいくらくらいのものを選ぶ?
全国平均は1,400円で、1,000〜1,500円が62.4%と大半を占めます。引出物と違って地域による金額差が小さいのが特徴ですが、新潟だけは平均2,600円と全国の倍近く、富山・石川・福井も1,800円と高めです。
夫婦で招待したゲストの引き出物は?
夫婦には1つにまとめて贈るのが一般的です(ゼクシィ結婚トレンド調査でも、夫婦に1つ用意した場合は1人分として数えています)。金額は1人分の1.5〜2倍程度にして、単身のゲストより見劣りしないようにするのが目安です。夫婦からのご祝儀は連名で5万円が基本ラインなので、その範囲で考えると収まりがよくなります。